法人用の銀行口座の開設が今かなり難しいです。結果、GMOあおぞら銀行で開設できました。その経緯について、詳細を記述したいと思います。
法人立ち上げ時
私が法人を立ち上げたのはもう何年も前で、この頃は、法人口座開設が厳しいなどということはありませんでした。法人立ち上げて数年は、個人事業のほうがまだまだ主軸で、売上も当面立つ見込みがなく、口座維持手数料が無料の住信SBIに申し込みました。
業種は、個人・法人ともにITサービスです。個人の経験を基に法人で新規事業のため、事業に関する経歴は十分といえます。
住信SBI銀行
無事開設。
Webで完結します。提出物は、履歴事項全部証明書や本人確認書類です。バーチャルオフィスの契約書も提出したように思います。
属性は以下のとおりです。
- 売上実績なし
- バーチャルオフィス
- 個人口座は持っているけど、メインではない
役員報酬発生に伴い社会保険料発生
数年前より、法人事業の売り上げが発生するようになり、役員報酬をとることにしました。
ここで問題発生。
なんと住信SBIは社会保険の口座引き落としに対応していないとのこと。入金は毎月役所から送付される紙の納付書を基に、インターネットバンキングよりペイジーで入金します。
納付書は、毎月20日過ぎに送付され、納付期限は次月の月初です。実質10日くらいありますが、私はバーチャルオフィスを利用しているので、年金事務所→バーチャルオフィス→自宅に送付となると、納付期限がぎりぎりになることがあります。一度、納付期限を過ぎてしまい、催促状が送られてきて慌てて入金したことがあります。
月1度とはいえ、何気に面倒。いや、かなり面倒です。
普段、郵送で送られてきた書類を基に何かを処理している場合は、特に面倒と感じないと思いますが、私の場合、郵送された紙を基に何か処理する、ということはまずありません。そもそも紙を扱うことがほぼありません。紙を扱うとしたら、契約書に押印が必要な時ぐらいです。取引先から契約書PDFを受領→印刷した紙に押印→スキャンして取引先に送付くらいでしょうか。契約書は1年に数回、もしくはないかです。
また、20日過ぎ~月初に旅行などで家を空けて納付書を受け取れなければ、確実に納付期限を過ぎてしまいます。せめて次月月末くらいまで納付期限があればよいですが。もしくは、郵送でなくペイジーの納付番号をメールで送るとかしてくれればネットで完結するのですが。
ということで社会保険の口座引き落としに対応している銀行口座の開設が必要になりました。
口座開設の履歴(撃沈)
法人口座の開設で審査が落ちた銀行一覧です。いずれも落ちた理由は教えてくれません。ちなみに、個人の属性として、金融関係のブラックリストに載るようなことは一度もありません。
ゆうちょ銀行
審査落ち。
法人住所の近くの支店で対面面談です。提出物は、履歴事項証明書、契約書類等です。決算前で売り上げが発生する前なので、請求書もなく書類は少ないです。口座維持手数料が無料ということで申し込みましたが、ダメでした。
属性は以下のとおりです。
- 売上実績なし
- バーチャルオフィス
- 個人口座はもっていない
りそな銀行
審査落ち。
法人住所の近くの支店で対面面談です。ゆうちょ銀行の時とは違い、この時は少ないながらも売上がある状態です。提出物は、履歴事項全部証明書、契約書関連です。前年度分の請求書や契約書など取引関連の書類をすべて印刷してほしいとのこと。すべて印刷して提出しています。売上もあるし長らく個人のメインバンクなので、ほぼ開設できるだろうぐらいに思っていたので、落ちたのは結構ショックでした。
属性は以下のとおりです。
- 売上実績あり(数百万)
- バーチャルオフィス
- りそな銀行はメインバンク、住宅ローンを利用
三菱UFJ銀行
審査落ち。
Web面談で完結します。提出物は、履歴事項証明書、契約書類で提出書類は少なかったです。請求書の提出は求められませんでした。まあ、個人実績があるメインバンクのりそな銀行でもダメだったので、仕方ないかという感じです。
属性は以下のとおりです。
- 売上実績あり(数百万)
- バーチャルオフィス
- 個人口座はもっていない
GMOあおぞら銀行で無事口座開設
もう法人口座開設はあきらめていました。売上がもっと増えてバーチャルオフィスでないオフィスを借りるぐらいしか対策が思いつきませんが、PCで完結する仕事なのに、口座開設の為だけにオフィスを借りるほど余裕はありません。
そんな中、朗報が入ります。GMOあおぞら銀行が2024年4月1日より社会保険の口座引き落としに対応するとのこと。ネット情報では、都市銀行などに比べると口座開設は厳しくないようです。早速申し込みます。
無事開設。
Webで完結し、面談はありません。提出物は、履歴事項証明書、契約書類で提出書類は少なかったです。本人確認は、セルフィ―動画撮影です。請求書の提出は求められませんでした。但し、取引実態の書類があったほうがいいようなことが法人口座開設ページの案内に記載されていたので、社内のシステムより直近の取引先ごとの売上一覧画面を提出しました。
属性は以下のとおりです。
- 売上実績あり(他行で落ちたときよりは増えている)
- バーチャルオフィス
- 個人口座はもっていない
審査はめちゃくちゃ早かったです。次の日には審査完了のお知らせメールが届いていたと思います。バーチャルオフィスということが気がかりでしたが、バーチャルオフィスでも問題ないようです。
これでやっと社会保険の口座引き落としができるようになりました。郵送の納付書から解放されて本当に楽です。
所感
法人口座開設時、せめて売上規模は何円以上、バーチャルオフィス不可など最低条件は教えてほしいところです。銀行に言わせれば、”総合的に判断”なのかもしれませんが、ネット銀行以外は、原則バーチャルオフィス不可もしくは、口座開設見込みは限りなく低いと見たほうがよさそうです。
提出した請求書の取引先は上場している会社もあり、事業形態が怪しいなどの会社は一切ありません。契約書はdocusignの電子証明書つきのものもあります。提供するサービスについてもホームページはそれなりに作りこんであります。実態がないビジネス、とはまず思われないと思うのですが、ITサービス自体、どう銀行が評価しているかは謎です。
また、銀行もビジネスでやっているので、少ない売上で一人社長のような会社は相手にしたくないのかなあと思いました。今や1円からでも会社は設立できてしまいますし。ただ、法人立ち上げ時に法人口座作れないとなると、ビジネスできないやんって感じですが。私の法人立ち上げ時は厳しくない時代だったので、売上ゼロで住信SBIの法人口座を開設できましたが、今はどうなんだろう。
いろいろ調べていて、バーチャルオフィスの場合、みずほ銀行にチャレンジするのもありかもと思いました。以下は、DMMバーチャルオフィスさんとみずほ銀行の社員さんのインタビュー記事ですが、バーチャルオフィスを理由に法人口座開設を断ることは無い、小規模法人に積極的とあります。
以下は、記事の一部です。
——バーチャルオフィスでも法人口座を開設できますか?
小林:はい、開設できます。法人登記する場所としての条件を満たしていれば、バーチャルオフィスであることを理由に法人口座開設をお断りすることはありません。
大井:むしろ私たちみずほ銀行は、バーチャルオフィスを利用されるような小規模法人のお客さまの口座開設に積極的です。最近ではスタートアップ庁創設の話も出ており、日本のスタートップを10万社まで引き上げることが提言されています。そういった機運のなか、一人あるいは少人数で起業しバーチャルオフィスを利用するというお客さまも増えていくでしょう。金融機関の社会的な使命としても、私たちみずほ銀行はこういった企業の成長を支援していきたいという思いを持っています。
参照元: みずほ銀行の方に直接インタビュー 『バーチャルオフィスで法人口座を開設できるのか』
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